第20回ノバルティス地域医療賞 週刊文春 5月30日号
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http://shukan.bunshun.jp/articles/-/2707
日本という国には、こんなにも素晴らしい医師たちがいる。
Masahiro Abe
阿部昌洋氏
チーム医療を通じて 山間地の人々の健康を守る
福島県との県境に位置する新潟県東蒲原郡阿賀町は、冬期は2~3メートルの積雪に見舞われる特別豪雪地域。人口の減少と少子高齢化が進み、同町の高齢化率は41.5%(平成22年国勢調査)と、離島をのぞき県内では最上位。新潟市などの都市部に医師が集中するため、山間地域の医師不足はさらに深刻だ。
このような医療過疎地域であってもチームによる巡回診療や訪問診療を通じて山間地の人々の健康を守っている医師がいる。鹿瀬診療所所長を務める阿部昌洋医師である。
現在、阿部医師は、阿賀町が運営する鹿瀬と上川、2つの診療所を掛け持ちして月水金の午前中に外来を、それ以外の時間は無医地区のへき地巡回診療、寝たきりの方などへの訪問診療、さらには学校医、警察医、介護施設の嘱託医と、まさに八面六臂の活躍を続けている。エルダー医(県立病院を退職後、再び診療に携わるOB医師)としても週に半日、県立津川病院に出かけ、診療に当たっている。
「医療過疎地で仕事をしたい」と、昭和61年、阿賀町の新潟県立津川病院に赴任した阿部医師は、御神楽岳の懐にある室谷地区などを巡回診療する機会に遭遇。「奥地で遠いと驚きながらも、巡回診療するを毎月に増やして訪ねたら、ものすごく喜ばれた。この時の感動が、定年後、阿賀町に戻るきっかけになった」という。
(つづく)
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