平成から令和へ

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約30年前の平成元年当時、テレビからは「24時間働けますか~」という唄が毎日流れていた。その年の流行語大賞であった「セクシャル・ハラスメント」からパワハラ、マタハラ、モラハラなど数えきれない関連語が生まれ、世の中いろんな場面でビクビクハラハラのしどうしである。消費税施行も平成元年であった。当初3%から始まり30年間の時間を経て今年10%に達するという。長いのか短いのかよく分からないが、みんな確実に歳をとった。

 思えば30年間、医師不足という言葉に寄り添いながら医師生活を送ってきた。医療過疎地域における医療に携わってみて一つ気づいた事がある。それはどんなに良い医師でも、時と場合により「鬼の面」をかぶってしまうということだ。例えば私のように若くない医師では、だんだん体が利かなくなり、物覚えが悪くなってきたのをひとのせいにして、怒鳴ってしまうのはよくある話。体力も気力も有り余る若手医師でも、医療の現場に慣れてきて何となく自信がついてきた頃に、知らず知らずのうちに増えてしまった、力量を超える頼まれ仕事に圧し潰されそうになり、思わず爆発してしまうなど。医師の少ない地域では、医師以外のスタッフも不足しており、なおさらである。

 しかし私は、医者の性善説を信じている。良い医師がしだいに「鬼」に変わっていくのではなく、「鬼の面」を一時的にかぶるだけであり、どんなお面も必ずはずすことができると思っている。誰かが用意した鏡に映った自分の姿をみてハッと我に返ることができるかどうか。そういう意味において「医師の働き方改革」はまさに時宜を得た議論だと思う。

 鬼といえば浜田廣介の有名な童話を思い出します。

ココロノ ヤサシイ オニノ ウチデス。

ドナタデモ オイデ クダサイ。

オイシイ オカシガ ゴザイマス。

オチャモ ワカシテ ゴザイマス。

私はこれからの残りの医師生活において、どのようなお茶菓子を用意したらよいのでしょうか。それともどなたか「赤おに」役をやって頂けませんでしょうか。

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